書評 「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方 加藤光一(著) 坪田信貴(監修)
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先日の夜のニュース情報ラジオ、J-WAVE JAM THE WORLDの津田大介さんのUP CLOSEのコーナーで三重県にあるほけてやる気を出す教習所「南部自動車学校」の特集がされていました。
教習所の代表である加藤光一さんが書かれた本「ほめちぎる教習所のやる気の育て方」が大変おもしろかったので、ブログとしてまとめてみました。
昔の事を振り返ると、もともと運転が好きで家の車がマニュアル車だった私は、教習所にかよっていた時は「次は何を教えてくれるんだろう?」とワクワクしながら桜上水の上北沢教習所に通いました。
教習所の教官は優しい人もいましたし、中には威圧的な、何故自分が出来ていないのかを言葉で教えてくれないような人もいました。
この本は人を育てるという点で、教習所だけではなく、さまざまなシチュエーションを想定して、教える側にいる人も、教わる側にいる人も大変参考になる本だと思います。
「ドンマイ」より「ナイストライ!」とほめる
ドンマイは「まあ気にするな」という意味。ナイストライは「よく挑戦した!」「よくやった!」という意味。
結果はどうあれ、頑張ったことを「ナイストライ」とほめていく。さらにほめ方を具体的に「今の動き方はよかった」「あとはここだけ出来れば完璧ですよ」とほめていくことが紹介されていました。
叱る前にほめる。これが大事のようです。つい叱りたくなってしまう人も多いのではないでしょうか。
とてもユニークだったのは、ほめる教習を始めた時に朝礼で「ほめロープレ」に取り組まれたこと。最初は微妙だったようですが、徐々に指導員さんの意識も変わり、指導員全員が日本ほめる達人協会に「ほめ達検定」3級を取得されているとのこと。スゴイですよね。
人に分かってもらうためには「532回」言う必要がある?
章の終わり毎に監修の坪田信貴さんのアドバイスのコーナーがあります。
このコーナーで紹介されていた中に、人に分かってもらうためには平均して532回言う必要があるという内容が新鮮でした。
坪田さんの塾で何度言っても言うことが聞けない人に何回言えば分かってもらえるかということを調べた結果、「ケアレスミスをなくすために必ずチェックをするという行動を取るためには平均532回言う必要がある」とのこと。
どうやってカウント?したのかは不明ですが・・・・
この「532回」という回数が、何度言っても分からない人にぶち当たった時に「あ〜まだ532回言ってないからな〜」と怒りや叱らなければというマインドから回避できるようになるそうです。
魔法の3S(スリーエス)「すごい、さすが、すばらしい」
魔法の3Sの言葉として「すごい、さすが、すばらしい」が紹介されています。この言葉を自然に、瞬時に言える、口にすることがポイントですね。
3Sの言葉を言った後にBecause〜◯◯だったからね〜と、例えば、「さすがだね!何度も練習していたからじゃないですか」理由を示してあげることが大事のようです。
人を動かすアイ・メッセージ
この内容も新鮮でした。アイ・メッセージはiMessageではなく、主語を自分に変えて伝えることとして紹介されています。
「君が出来るようになって、私は嬉しい」「君が成功してくれて、私は助かった」「ここを片付けておいてくれたら、私は助かるんだけど〜」と、主語をアイ(自分)にすることで、相手の存在、価値を認めることつながっていくようです。
「〜しなさい!」と命令系で言われるより、ほんわり聞こえて、やってみよう、やってよかったという印象に変わりますね。
まとめ
このほかにもほめるエッセンスが沢山紹介されている本でした。是非書店にて手にとってみては如何でしょうか?
人のタイプ別のほめる言葉の一覧表的なものもあって、大変よく分析されている内容でした。
ほめる指導をはじめて、教習生の数が増え、卒業生の事故率も減り、教官の仕事の満足度も向上し、メンタルで病む人も減りという良いことの連鎖であった南部自動車学校の取り組みの結果を読ませて頂き、「ほめる」ということは本当に大切なことなんだと思い知らされました。
4月から新入社員を受け入れた中堅のスタッフさん、学校関係、あらゆる組織で「ほめる」というキーワードをもって人に接したら、日本のあちこちでプラスの作用が働いて、自殺者も減るんじゃないかな〜と、そんなことを考えながら読んだ本でした。
以上、「書評 「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方 加藤光一(著) 坪田信貴(監修)」でした。