本 読書記録 「山本七平の思想 日本教と天皇制の70年」 東谷暁
Rickey(@tg677)です。
ずーっと出来ていなかった本の読書記録。記録なので、他人向けの書評ではなく、個人だ読んだ本を振り返るためのメモ書き程度のものですので、読みづらさとかがかなりありますが、どうかご容赦下さい。
8月に買った「山本七平の思想」を記録します。山本七平はあの有名な「空気の研究」の著者で、日本社会に流れる「空気」とはなんぞやと究明した人です。この本は山本七平の生き方、思想を東谷暁さんがまとめたものです。
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七平の言った言葉
- 「日本人は空気でものごとを決めてしまう」
- 「日本人は水と安全は無料だと思っている」
- 「日本人は全員一致にこだわる」
- 「日本人は契約ではなく話し合いで仕事をする」
- 「日本人の宗教は日本教だ」
「空気でものごとを決めてしまう」
ミーティングの場で別の意見を持っていたとしても相手の意見が正しそうだったら、それになんとなく乗ってしまう。別の意見があることを受容しない会話スタイル、ファシリテーション。
「全員一致にこだわる」
なんとなく全員一致の方が美しいと思い込んでいる。
「宗教は日本教だ」
今まで自分の中に無かった言葉。確かに「日本教」って存在すると思った。日本ほど素晴らしい国は無いと思わされている人って結構大多数だと思う。
日本教の根底にあるのは「差別」と「排除」を生み出してはいないだろうか。「日本人でよかった」というポスターが京都に貼られていたらしいが、外国人が見たら、二度と来たくないと思われる。タイに行って「タイ人でよかった」というポスターを日本人が見たら、どう思うかな・・・
日本の農業
日本人は自分たちの文化が、水田耕作によって育まれたものであることを自覚していない。
日本の農業は「特定の社会・経済・政治の目的を達成するための一連の計画的行動」という意味での「キャンペーン」であって、ペンダサンはこれを「キャンペーン稲作」と名付けている。
日本人の85%がある時になると一斉に同一行動を起こした。田植えの時には全日本人が田植えをしなければならない。Going my wayなどとうそぶれていてば、確実に餓死する
全員一致して行動が取れるように、数千百年にわたって訓練されている。従って独裁者は必要ない。
日本軍
借りと貸しの論理
もし例外ルールを使うときには、迷惑がかかる部署への「借り」となり、逆に他の部署が例外ルールを押し付けられた時には「貸し」ということになる。貸し借りという言葉は使わなくとも、それが日本軍の下部組織の全体にある暗黙の了解事項。
戦後も続く日本軍の体質
日本軍の武器は古めかしいものばかりであった。指導者たちは「精神力」による戦闘によって敵とわたりあえると語って致し、しかもそう信じているとしか思えなかった。
日本人を支配してやまない「空気」
連隊長、幹部候補生は、当然のように、すぐさま普通の市民に戻ってしまう
昨日まで「神国日本」と教えていた教師たちが、ある日を境に「民主主義」を説き始めた
山本七平は、日本人は「空気「に流され、判断を誤りやすいことを警告した思想家だったといわれる
日本人の思惟方法のうち、かなり基本的なものとして目立つのは、生きるために与えられている環境世界ないし客観的諸条件をそのまま肯定してしまうことである。諸条件の在する現象世界をそのまま絶対者とみなし、現象をはなれた境地に絶対者を認めようとする立場を拒否するにいたる傾きがある。
こうしたアニミズム的な精神傾向をもつ日本人は、どうしても目の前のあらゆる現象を肯定的に受け入れてしまう傾向が湯浴、欧米人のようにキリスト教で培われた堅固な一神教的論理および倫理を形成できないという指摘は多い。
いわば世界を自分の同類のものとして肯定的にみるため、同情的な気持ちが優先して、欧米人のような厳しく突き放した、批判的な見方が出来ないのである。
私達を拘束しているのは「空気」なのだから、しっかりと把握しようとしても空気のように逃げてしまうが、それなのに日本人は「空気」に従うことが本能であるかのように、自然にふるまってしまう。
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以上、「本 読書記録 「山本七平の思想 日本教と天皇制の70年」 東谷暁」でした。日本人の本質的な一面について、この本を通して知ることが出来ました。