本 読書記録「縮小ニッポンの衝撃」(講談社現代新書)
Rickey (@tg677)です。久しぶりの本 読書記録シリーズ。人口減少で売れている「未来の年表」についてもアップしたかったのですが、ブログとして記録するタイミングを逃してしまい、そのままになっていました。
自分のために読んだ本をブログに記録
「縮小ニッポン」の衝撃についても、先週読み終えたのですが、まとまった時間がなく、ブログとして記録することが出来ないままでいました。ブログに記録しておくことで、ちょっとですが記憶に残ったり、人と話しをしている時に内容を思い出して議論が深まったりするプラスの効果があります。なので記録するのですが、人に紹介するための記録ではなく、自分が思い出すために記録してブログにアップしているため、文章が繋がっていませんが、どうかご容赦下さい。
縮小ニッポンの衝撃
羽田空港第一ターミナル3Fの山下書店さんで買った「縮小ニッポンの衝撃」。パラっと中身を見て、大変興味深かったので即買いしてしまいました ▼
「未来の年表」は未来に何が起こるのか?ということを時系列で説明していますが、この本は豊島区と夕張、出雲、横須賀の事例を取り上げて解説しています。都会の人にとっては、田舎の人口減少、村が無くなる、集落が無くなるということをリアルに感じることが出来る本となっています。
人口減少の問題については、今は話題として取り上げられてきている風潮がありますが、私自身非常に危機感を持って取り組まなければならない問題と認識しています。津波の様にどっと押し寄せる、危機的な状況がやってくると感じているからです。人口増加による人口ボーナスで成長してきた日本が、これからどーやって国を維持していくのかという課題は危機的な課題として、北朝鮮の問題よりも重要な問題と認識しなければならないと私は考えるのです。
以下は、ポイントのみ箇条書きで自分のために記録したメモです。
第1章 東京を蝕む一極集中の未来
- 消滅可能性都市に豊島区が選ばれる。2010年〜2040年の間に20〜39歳の女性が5割以上減少するという推計があるため、人口が増えているように見えても、子育て世代が居ないためそうなる。
- 東京への一極集中。高度経済成長の時、バブルの時、2000年以降は地方を逃げ出すように東京へ来る。ネガティブな東京への集中が始まっている。
- 豊島区では2060年の社会保障の財源が100億円不足するという試算結果。介護施設に入れない介護難民でありお一人様単身者。東京都2015年のデータでは一人暮らしが47.3%。
東京は街によって年齢の層がまったく異なる。若者が多いエリアもあれば、そうでないエリアもある。だから一様に東京は人口が安定しているとは言えないのではないだろうか。
とはいえ、人口は地方に比べれば総数では非常に多いため、財源があり、子育てへの支援は地方と比べれば充実しやすい環境である。
第2章 破綻の待ちの撤退戦①
- 夕張市の人口ピラミッドの形は40年後の日本の人口ピラミッドの形と同じ。
- 大量の公営住宅の管理が行き届かない。人口が減り、残った住民の負担が増える。コンパクトシティ化はまだ難しい。
- 昔のように「なあなあ」的に先送りしていると、また同じ過ちを繰り返すことになる。
- 「政策空家」ということば。老朽化した公共住宅を建て替える際などに、住民が退去しても新たな入居者の募集をかけることなく空室状態を維持し、その住宅全体が空になるように誘導していく。
「政策空家」って初めて聞いた言葉でしたけれども、建て替え前の団地は人が居なく、鬱蒼としていて、政策空家と同じようなものなのかなとも思った。コンパクトシティ化。言うだけは簡単だけど、現実は難しそう。説得とか、土地に愛着を持った人に離れてもらうのは一苦労だと思う。年をとると頑固になる傾向はあるし、所謂コンフォートゾーンから出られなくなってしまうよね。。。。
第3章 破綻の待ちの撤退戦②
- 職員がよろ遅くまで残業。経費削減のため5時になると暖房を切る。そしてコップに入った水が凍ってしまうことも!!過酷過ぎる。
- 子育て支援に力を入れる鈴木市長。未就学児の医療無償化を2013年に実現!
- 土地代の大幅に下げ、企業を誘致に成功。
- 夕張市の高校生の不満。希望する進学先に進めないのでは。生徒数減ったコトで部活動に十分に取り組めない。
部活動が出来ないのは可哀想。だけど仕方ないこと。これが関東エリアでも今後起きるのではないだろうか。学校の先生の休みがないことでも問題になってるし、部活動を受け持つ担任が見つからないことも最近では話題になっている。昨晩のJ-WAVE JAM THE WORLDでもちょっと特集されていた。
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/break/index.html
第4章 当たり前の公共サービスが受けられない!
- 島根県は過疎化が進んだ県。全国で2番目に人口が少ない。2010年時点で人が住んでいるエリアのうち、77%で人口が半数以下になり、そのうち29%は人がすまない「無居住化地区」になると予想されている。
- 多くの集落が消滅の1歩手前にある。65歳以上の高齢者が半数以上、残っている世帯が20戸未満を示す「限界的集落」の数を集計すると、県内に442箇所。そのうち、さらに深刻な高齢者が7割以上、10戸未満の危機的集落が84箇所!→新たな段階の「消滅」
- 2005年海潮地区では「田舎暮らしツアー」を開催。小さな成功体験を積む。住民組織自ら幼稚園の放課後預かり保育「うしおっ子ランド」を開設。地域の課題のこまめに対応。小さくてもさまざまな事業を展開。住民の意識の変化。高まり。
- 20代前半の夫婦が3世帯。30代前半の夫婦が3世帯、60代前半の夫婦が5世帯毎年移住してくれれば、海潮地区の人口は安定するというシミュレーション結果。
- 電力の検針時に声をかけてもらえると嬉しい住人。安心感への繋がり。検針時に保健師も同行して健康相談を同時に行うという取り組みもユニーク。
- 島根大学 作野教授「20年後、30年後をイメージするのは難しいので、5年後、10年後がどういう状態であるべきか話し合う」維持管理が難しい場所を住民自ら選び、集約するべきと提案。
東京に居ると、地方の様子は容易に想像出来ない。想像を越えた世界があるんだと気付かされた。そうすると、国会にいる人の中でも東京出身の方というのは、実際の田舎暮らしの大変さはわからないんじゃないかと思った。
集落というユニット、単位に対してどう捉えていけばいいのか?集落が消滅するということがいまだに良くわからない。
若い世代の移住とあるが、それなりにWEBとかでPRが必要だから、ネットのスキルって何処行っても大事ですね。ブログとかFBで発信出来ますしね。
そして、集落を支える人は一人2役、3役と多様なパーソナリティーを持った人物像が求められるなと思った。何でも出来る系が集落、町には必要ですね。
第5章 地域社会が崩落 集落が消えていく
島根県益田市 匹見下地区
- 「匹見下いいの里づくり協議」を設立し、準備期間中60回ほど会合を重ね、組織づくりや活動方針について話し合う。
- 委員も高齢者ばかり。人材不足も申告。若い人が居ないと何をどうするべきかの発想が生まれない。高齢者ばかりでは活発に動くことさえできない。
- 「ゆでガエル」状態という比喩。大丈夫、大丈夫と言い続けていたら、とうとう駄目になってしまった。
- 東京大学大学院能楽生命学科特任教授 林直樹さん「高齢化が著しい過疎地では、住民の生活と共同体を守り、地域環境の持続性を高めるため、一定規模の拠点集落にまとまって移住する「集団移転」を提唱。
遠くに移転ではなく、近く、身近な場所へまとまって移転。
- 専門家の声。「人口減少はむしろ地域を強くするチャンスだ。悲観的になる必要はない」「田舎暮らしに興味を持つ若者が増えているというデータもある。外から人を呼び込めば、集落はまだ存続できる」
色々な専門家の意見があるけれども、人間は変化に強い、不思議な生き物だから、なんとか切り抜けていけるのではないかと信じたい。
以上、「本 読書記録「縮小ニッポンの衝撃」(講談社現代新書)」
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