สวัสดี ครับ (サワディークラップ) Rickey(@rickey_blog) and Instagram (rickey_blog)です。
ツイッターの限られた140文字よりかは、ちゃんと自分の意見を整理しておこうと思う
「あいちトリエンナーレ2019」が2019年8月1日から開幕いたしました。3年に1度、愛知県で開催される国内最大規模の国際芸術祭です。
今年のテーマは「情の時代 Taming Y/Our Passion」国際現代美術展、映像プログラム、パフォーミングアーツ、音楽プログラムなどの多彩な表現、作品が紹介され、30カ国93組のアーティストが結集。
これらを芸術監督してまとめたのが、ジャーナリストの津田大介さん。東京のキーラジオ局J-WAVEの夜の報道番組JAM THE WORLDの月曜ナビゲーターを努めていらっしゃる。そのナビゲートのコメントがいつもすっごく的確で、考えされられるものばかりで、津田さんの回は毎回のようにラジオを聞かせてもらっています。
ラジオ番組の中でも何度か津田さんから「あいちトリエンナーレ」のコトが紹介されていたので、ああ〜開催されるんだな〜くらいの意識でしかありませんでした。
しかし、今回、慰安婦問題を象徴する少女像が強制的に撤去されてしまったことを通して、自分なりに考えたこと、社会に対して思うことを140文字のツイッターにアップするだけでは整理がつかないと考えましたので、1つのブログ記事として自分の思い、考えをまとめましたので、発信させていただきます!
「あいちトリエンナーレ」参加参加の男女平等を達成する!
津田大介さんがラジオ番組でも何度か強調していたのが、参加作家の男女比率がほぼ50%、50%を達成することが出来ましたと放送で話されていました。
アート関係で、男女の比率を均等にするのは大変難しかったのではないだろうかと思います。男性の参加に偏ってしまったり、女性に偏ってしまったりしてしまうことが多い中になあって、これはスゴイと思いました。
女性活躍、女性活躍推進法が改正されたりする2019年にあって、アートの世界で参加作家の男女比率を均等にしたということは、社会に対して一石を投じたということになるのではないかと思います。
現内閣においても、大臣の男女平等はほぼ遠いもので、むしろ女性活躍と言いながら、ポーズだけで放棄してしまっているような状況。20人の大臣のうち女性は1名。たった5%の状況に唖然としてしまいますね。
芸術祭のあり方を通して社会に問題提起するという発想から、参加作家の男女平等を達成いたしました。男女共同参画推進を掲げる自治体の文化事業として明確な範 を示せたのは、芸術監督として(そしてジャーナリストとしても)何よりの喜びです。既に海外の様々な芸術分野において、男女平等が大きな潮流になっています。愛知県の今回の取り組みを契機に、今後日本全国で行われる行政の文化事業に男女平等という大きな流れをもたらしたいと考えています。
<記者配布用資料より>
展示を取り下げられてしまった作品を集めた「表現の不自由展」
アーティストだからこそ、社会、政治、宗教、歴史に対してのメッセージを作品を通してしたくなってしまうものであり、だからこそアートなんだと思います。
音楽でも芸術でも、社会に対してメッセージを発信していく。ジョンレノンも戦争に対してNO!と発信していったりしたように、アートの世界って、自由に発言できる空気、それを受容できる人がいて、その作品をきっかけとして、議論をスタートすることが出来れば、それで良いんじゃないかと思うのですが、今は作品に対して云云とクレームや過激なコメントだけで終わってしまっていて、言葉によるディスカッションが出来ていないのが残念でなりません。
作品は、ディスカッション、どう我々が考えていくかのきっかけなんですけどね〜。
今回のあいちトリエンナーレでは、何らかの事情で他の美術館や展示企画で展示を取り下げられてしまった作品を集めた「表現の不自由展・その後」という企画が行われていました。
ただ、この企画展については、津田さんご自身も2ヶ月前のYoutubeの動画の中で、炎上するかもしれないな〜と覚悟されていたので、炎上してでも、表現の自由を出していこうとされた気概を感じました。
「表現の不自由展」は、日本における「言論と表現の自由 」が脅かされているのではないかという強い危機意識から、組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集め、2015年に開催された展覧会。「慰安婦」問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法 9条、政権批判など、近年公共の文化施設で「タブー」とされがちなテーマの作品が、当時いかにして「排除」されたのか、実際に展示不許可になった理由とともに展示した。今回は、「表現の不自由展」で扱った作品の「その後」に加え、2 0 1 5年以降 、新たに公立 美術館などで展示不許可になった作品を、同様に不許可になった理由とともに展示する。
<「プレスリリース」より>
8月1日にはじまったけど、8月3日に「表現の不自由展・その後」が中止になってしまった
残念だけれども、「表現の不自由展・その後」が中止になってしまった。具体的には、右翼関係の方が来館し、問題となった少女像に紙袋をかぶせて写真を取ったり、殴るようなポーズをしていたとのこと。
そして、「中止をしなければガソリンをまくぞ!」といったテロ予告的な内容や電話対応をした職員個人を攻撃するような内容も多く含まれていたと発表がありました。
津田大介監督のステートメント(2019年8月2日)▼
Youtubeに津田大介さんの記者会見の様子がアップされていました▼
河村市長で10億くらいの税金を使っているというコメントがありましたが、これは誤りのようです▼
「表現の不自由展・その後」は全体企画の1つでしかなく、事務局に確認した正式な予算は420万円です。この部分に対し、民間の方から寄付の申し入れがあり、寄付で全額賄うこととしております。 https://t.co/thF7maZbMg
— 津田大介 (@tsuda) August 4, 2019
そして、記者会見にて、芸術監督を努めた津田大介さんは「また一つ日本の表現の自由が後退したかもしれない」と謝罪とともに、述べられました。
愛知県知事の発表では、FAXで「ガソリンをまく」というものがあったが、警察に被害届を出して、脅迫のFAXの送信元を確認を要請したが、出来ないということだったとのこと。
表現の自由について、個人的には展示を継続して戦ってほしかったけれども、このような脅しが来たのでは、本当に安全面が危ぶまれてしかたないと思います。
このような状況の中で、万が一展示エリアに何かしらの危害を展示物や観客に加えるような人が現れたら、本当に怖いですよね。また、スタッフが行き帰りの移動で突然に襲われたりするようなことがあったらどうしようかと、、、開催者側の苦悩がたくさんあって、最終的にやむなくこのような決断に至ったんだろうと想像します。
作品設定のプロセスや税金の使われ方のプロセスについて、追求するという声もネット界隈からは多々ありましたが、それはちょと端においておいていいと思います。
津田大介さんが芸術を通して社会に問題提起するということと、表現の自由をめぐる状況に思いを馳せ、議論のきかっけにしたいということを趣旨として述べていましたが、今回のような脅し、テロ予告的なもので表現が出来ない、分断されてしまう、議論すら出来ないのが今の日本であるというのを世界に示してしまったのは、日本人として非常に残念でなりません。
8月2日の津田大介さんのステートメントには、以下のように締めくくられていましたが、本当に、こんな風に終わってしまうのは、腹ただしいものです。
この企画が報道された7月31日(水)から連日、事務局への電話が殺到しております。その中には、テロ予告や脅迫とも取れるようなものや、また電話に応対しただけの職員個人を攻撃するものも多く含まれています。また、事務局への電話は夜間にもなされ、その数は増え続けています。この状態が続き、来場者及び職員の安全が危ぶまれる状況が改善されないようであれば、展示の変更も含め何らかの対処を行うことを考えています。ただし、日本が、自国の現在または過去の負の側面に言及する表現が安全に行えない社会となっていることをそうやって内外に示すことの意味を、よくお考えいただき、自制的に振る舞っていただくことを期待しております。
<8月2日発信のステートメントより>
言葉での議論が出来なくなってしまった?言葉の無い時代、言葉を探す時代にいる?
Rickeyがここ最近非常に強く思うことがあります。それは日本人が言葉を失ってしまったのではないか?ということ。言葉による表現、議論、ディスカッション、和解、質問、回答。言葉を尽くして説明していこうとする大人が少ないから、誠実に対応していこう、説明していこう、向き合っていこうとする人が圧倒的に減ってしまって、言葉の無い中でお互いを責め合うような状況になってきてしまっているのではないかと非常に危惧しています。
インターネット、Twitter、Facebook、SNSなどの普及によって、端的に物事を限られた文字のなかで現していくことは出来ていますが、長々と自分の意見を論理的にまとめていくことから逃げてきてしまっているのかもしれません。
そんな私もまだまだ勉強中の身なので、他を批判できるようなレベルではありませんが、私の感じるところには、そういうような部分があります。
特に政治の世界の中で、政権与党の国会での答弁をYoutubeや国会中継を通して拝見していますが、質問に対して、誠意をもって、用意された答弁書でなくて、自分の作った言葉、自分の言葉で答弁をしている、語りかけている、議論を尽くそうという姿勢を持っている人が居なくなってしまいました。
皆、質問をされても、質問にまともに回答せずに、的はずれな回答をするだけで、許されてしまっている空気感があります。この空気感というものが、一般レベルの国民や、ネット右翼的な方々にも醸成され、「あいつは悪いやつだ」で一気に叩き潰すような風潮が強くあるのではないかと考えます。叩く前にしっかり自分の頭で考えて欲しいです。本当はどんな議論をしなければいけないのかと・・・
ネトウヨってこんなにいたの?日本の民度がまだまだ低すぎるという事実への驚き
そして、今回非常に驚いたのは、津田大介さんのツイッターやあいちトリエンナーレに関する投稿ツイートに対して、リプライでコメントを投稿している人達の批判のコメントが凄まじかった。ちょっと引いてしまうくらい、、、たくさんあったので、ネットって怖いな〜と久々に感じてしまいました。
正直、こんなにネトウヨ的な人が日本には多いのかと驚愕。一度リアルで会ってみたいな〜、どんな人達なのか、気になりますね。
確かに、そういう方々にとっては、今回の作品展示はひどく心を傷つけられたと感じられるかもしれないだろうと想像しますし、熱がこもってしまうのも分からないわけでもないです。
けれども、過激なコメントや脅迫まがいのメール、FAXによって自分たちが世界に示してしまったものは、「日本に表現の自由はありません。表現させません、いやしなくて良いんです!」と自分たちの方から、議論できる空気というものを、そんなのは議論しない、いらないんだ、多様な表現は認めないんだというメッセージを世界に伝えてしまったことに気づいて頂きたいな〜と私は考えます。
被害者責任だけではなく、加害者責任も情報公開から考えよう!
6月には沖縄の慰霊、8月には広島、長崎の原爆、その犠牲者への祈りが捧げられています。もちろん、私もそれぞれの日には犠牲になられた方々へ供養の祈りを捧げさせて頂いています。あのようなことは二度とあってはなりませんし、未来へ伝承していくことが、同じ過ちを犯さないためにも大切です。
そのために、博物館や資料館が「被害者」という視点から作られ。戦争、原爆がどれだけ悲惨だったのかということを未来の人々に伝えてくれています。
しかしながら、日本が外国へしてしまった戦争、殺人、悲しみを生む行為というものは、中高の歴史教育の中ではさらっと触れるだけで終わってしまい、深堀りしてしっていくということはまったくありません。
加害者としての日本が過去にどのような過ちを犯してしまったのか、どのような戦争を展開して、人を殺してしまったのかということについては、まったく教育の機会もありませんし、そのような加害者としての何をしてしまったのかという知識を深める展示や博物館はまったくありません。
海外に目を向けると、ナチス軍の生々しい歴史を展示するトポグラフィー・オブ・テラー博物館があり、ナチス政権時代の貴重な資料が無料で展示されています▼
ジャーナリストの堀潤さんのツイートにもこのような興味深い写真が紹介されていました▼
ベルリンにあるナチスの秘密警察本部跡地は今は資料館として国内外から多くの人がここを訪ねる。この写真を見て欲しい。群衆が一斉にヒトラーに敬礼する中、たった1人抵抗し、自らの尊厳を守った勇気ある市民が写っている。自分はそれができるかどうか、いつも考えている。怖さで震える時もある。 pic.twitter.com/WE5XDKKdS4
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) August 2, 2019
また、チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナにおいては、原発事故が発生してから6年後の1992年にウクライナのキエフに国立チェルノブイリ博物館を開館している。
このような海外の事例がある中で、もっと日本も過去の戦争で犯してしまったことを加害者として情報を公開し、たくさんに人達に知っていただけるような博物館なり、展示会なりをするべきではないのかと私は考えます。
そんなことを中国にルーツを持つ知人と話しをしていたら、「南京南京」という映画が日本では公開されていないけど、面白いよと教えてくれましたし、現地では、「日本はこんなことをしやがったんだ!」という動画などがまだ至る所でオンエアされていると教えてくれました。
慰安婦問題もそうですし、満州への侵略、盧溝橋事件、南京事件南京での虐殺など、様々な過去の出来事に対して、加害者として情報を公開するような姿勢があってもいいのではないかと思うのではありますが、今の外交状況は日本国民の民度(成熟度)的なものなどを考えると、越えなければいけない壁がたくさんあって、道半ばなんだな〜と思わさせられます。
特に、今回のあいちトリエンナーレの少女像の企画の中止を通して、いろいろな日本の状況が海外へ露呈してしまったのは残念でなりません。
Change.orgで「表現の不自由展」で中止をしないでください!署名が展開されています!
最後に、Change.orgで今回の「表現の不自由展」について作品撤収の撤回をもとめる署名活動が展開されていました。
言論の威圧、表現の不自由さ、表現のしづらさに対して少しでも打戒したいと思ったので、署名を早速にさせて頂きました。津田さん頑張って、負けないで、貫いてほしいなと思い、応援しています!
でも、今回の炎上を通して、あいちトリエンナーレの知名度はあがったし、表現の自由が保証されていない、検閲的なものも存在しているようなことが明らかになって、良かったのかもしれない。ちょっと前向きにとらえることも大切かなと思いはじめました。
Change.orgのリンクはこちらから▼
以上、「【オピニオン】あいちトリエンナーレー 少女像及び「表現の不自由展・その後」が中止されたことを通して得た気づき」でした。
あなたはどう考えますか?
あいちトリエンナーレのリンクはこちらから
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